実はフランス人?イギリス人?国際色豊かなスウェーデン王室
様々な外国出身者がいるスウェーデンの王室
こんにちは、Usaです。
日本は来たる5月1日の新天皇の即位に世間はわいていますね。
日本の皇室はもちろん先祖代々“日本人”なわけですが、スウェーデンの王室は実はある時からフランス系の血筋に切り替わったのをご存知ですか?
そもそも中世のヨーロッパの王族は王族同士の婚姻が多かったので、元々いろんな国の血筋が混ざっていることは、それほどびっくりな話でもないかもしれませんね。
北欧スウェーデン王室もその例外ではありません。
では、現在のスウェーデン王室の血筋は一体どこなのか?
また祖先だけではなく、現スウェーデン王族の方々にもスウェーデン人ではない外国人の方がちらほらいらっしゃるので、今回はスウェーデン国民のみならず、国際色豊かスウェーデン王室の面々をご紹介していきたいと思います。
まずは現スウェーデン国王の『カール16世グスタフ』を簡単にご紹介します。
お写真の男性がカール16世グスタフ国王(Kung Carl XVI Gustaf)で、今月(2019年)4月30日に73歳になられます。
( 出典:Bengt Nyman from Vaxholm, Sweden [CC BY 2.0], via Wikimedia Commons)
カール16世グスタフがご誕生当時は、お祖父様がスウェーデン国王でした。
そして、当時の王太子だったカール16世グスタフのお父上『グスタフ・アドルフ』は、カール16世グスタフが生後9ヶ月の時に、飛行機事故より僅か40歳の若さでこの世を去っています。
そのため、王太孫となったカール16世グスタフは1973年に27歳でスウェーデン国王に即位しています。
では、このカール16世グスタフ国王のご先祖は“一体どなたなのか”を見ていきたいと思います。
中世ヨーロッパの王族は何百年も間、政略結婚なんかでいろんな国々の血が混ざるとともに、血族的に近いもの同士との婚姻が続いたので、子供が育たない危機に瀕していました。
スウェーデン王室もその例外ではなく、時のスウェーデン国王『カール13世(1738-1818)』には王妃との間にお子さんが育たなく、後継者問題に直面していました。
そんな時に養子の新王太子として迎えられたのが“外国人のとある方”です。
その方が、現スウェーデン国王のご先祖にも当たる約200年前のスウェーデン国王『カール14世ヨハン』こと、フランス人の『ジャン=バティスト・ベルナドット』です。
フランス出身のベルナドットは1810年にスウェーデン王太子となり、1818年の55歳の年にスウェーデン国王となりました。
彼が貴族やヨーロッパの王族出身なのかと思いきや、フランスのごく一般の庶民出身でフランス人軍人の将校で、それもかの有名な皇帝ナポレオン・ボナパルトとは敵対する軍人だった人なのだとか。
200年前のスウェーデンは、ロシア帝国との戦争に負け、当時はスウェーデン領だったフィンランドを失った直後だったため、フランスの力添えを強く望んでいたのだと言います。
そこで、近隣諸国の王族出身でもないフランス人軍人のベルナドットに白羽の矢が立ったのだそうです。
それにしても、ベルナドットはそんなに若くない時にスウェーデン国王となられたんですね。
ですから、当然彼にはフランス人の奥さんがいましたし、その奥様との間に男のお子さんもいました!
私は、てっきりベルナドットがスウェーデンの王族と結婚したのだと思っていました。
このベルナドットの息子さんが次のスウェーデン国王『オスカル1世』ともなったのだそうです。
フランス出身のベルナドット=カール14世ヨハンの次のスウェーデン国王もフランス人だったのですね。
息子『オスカル1世』は父ベルナドットが王太子になった年に11歳、自身が王太子となったのはその8年後の19歳の時でした。
べルナドットがスウェーデン王太子に選出された理由には、やり手の軍人で皇帝ナポレオンともコネクションがある、それに加え男のお子さん“オスカル1世”がすでにいたので、次期スウェーデン国王として選ばれたのだと言います。
政略結婚ではなかったのですね。そこが意外でした。
では、もしこれが日本だったら?
外国の平民出身の外国人が日本の天皇陛下に即位するなんてこと100%起きないでしょうね。
血族意識が日本人と異なる点に驚きです。
だからこそ、いまのスウェーデンという国があるのかもしれませんね!
さて、ご先祖がフランス人の現スウェーデン国王のグスタフ王がご結婚されたのも、実は外国の方なんです。
お写真の『シルヴィア王妃(Drottning Silvia)』ですが、お父様がドイツ人で、お母様がブラジルの方です。
( 出典:Bengt Nyman [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons)
日本人の筆者にはヨーロッパの人はだいたい皆同じように見えるため違和感は全く感じませんが、シルヴィア王妃は“スウェーデン人ではないと思わせる外見の特徴”をお持ちです。
それは“茶色い瞳”です。
国王・王妃お二人の間には3人お子さんがいらっしゃいますが、長女で王太子の『ヴィクトリア』と『カール・フィリップ王子』が母・シルヴィア王妃のこの茶色の瞳を受け継いでいます。
代々スウェーデン人の血筋(そうではなくてもドイツ系が入っている程度)の方だと、9割方青い瞳なので、茶色の瞳はかなり珍しいんですよね。
筆者周りでも50人くらいスウェーデン人がいたら茶色いの瞳の人は2、3人ぐらいです。
ちなみに、ヴィクトリア王太子の2人のお子さん『エステル王女』と『オスカル王子』も茶色い瞳を持っていて、カール・フィリップ王子夫妻の第一子『アレキサンダー王子』も茶色い瞳です。(2人目のお子さん『ガブリエル王子』は青い瞳を持っています。)
スウェーデンにも王室の特集雑誌がありますが、表紙を見ると茶色い瞳の王族の方々が目を引きますね。
下記写真は、ヴィクトリア王太子と夫のダニエル殿下、息子のオスカル王子です。
( 出典:Frankie Fouganthin [CC BY-SA 4.0], via Wikimedia Commons)
最後にもうひとかた、ご紹介します。
カール16世グスタフの末娘『マデレーン王女(Prinssesan Madeleine)』は姉や兄と違い青い瞳をお持ちですが、旦那さんがまたも外国の方で、イギリス生まれのアメリカ人『クリストファー・オニール』氏(アイルランド系)です。
オニール氏とマデレーン王女はニューヨークで出会ったとのことです。お二人の間には3人のお子さんがいます。
出会いやご縁はどこにあるのか分からないものですね。
いかかでしたか?
スウェーデンの王室も国際結婚などで国際色豊かですよね。血筋にこだわらないスウェーデン人、日本人も見習う点がありそうです。
日本では近年多くなっているのは言え、まだまだ国際結婚が珍しく思われる傾向がありますが、その中には外国人との結婚に断固反対派の人もいたり、国際結婚した女性に対しひどい言葉を吐き捨てたりする人もいるようなので、ここで断言しますね。
「ご覧の通り、実際のところ血筋なんて全く関係ないですから!」
以上、フランス系スウェーデン王室についてのご紹介でした。
いつもご愛読いただきありがとうございます。良かったら下記の記事もご覧になってくださいね!
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