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中世の軍艦 ヴァーサ号の悲劇

悲劇のスウェーデン海軍の帆船

海外旅行に行くと、外国にいるはずなのに日本語が聞こえてる、日本人らしき人とすれ違うなんてよくある話ですよね。

ここスウェーデンにも多くの日本人が訪れています。そこで首都ストックホルムに訪れるなら、是非お勧めしたいのが、この木造の帆船が見られる『ヴァーサ号博物館(Vasamuseet)』です。

約400年前のスウェーデン海軍の軍艦

Vasa、またはWasa(ワーサ)とも呼ばれる17世紀の帆船です。

17世紀のヨーロッパは大航海時代も終盤の時代。北欧の国々の歴史は、現在のフィンランドがスウェーデン領だったり、ノルウェーもスウェーデンだったりと領土がコロコロ変わっています。

ヴァーサ号が造船された17世紀のスウェーデンは、現在のフィンランドとエストニアもスウェーデンの領土でした。またスウェーデン南部はデンマーク領土の時代でもありました。

余談になりますが、これがスウェーデン南部の人がストックホルム人からちょっと煙たがられる要因でもあります。

( 出典:Pixabay )

( ストックホルムの旧市街に、バイキング時代を模したレストランがあるのですが、入店すると店員さんが予めお客さんに聞いた出身地や国、名前を呼んで他のお客さんの歓迎を受けながら席に案内してくれます。

筆者が行った日はストックホルムの方が多かったのか、店員さんの一人が『スコーネ(スウェーデン最南端の県)はスウェーデンじゃない!デンマークだ!』と叫んでお客さんたちは大笑いしていました。東京住みの日本人が地方の日本人を小馬鹿にする感じと似てますね。ちょっと感じ悪いですよね。

話を戻しまして。

そして更なる領土拡大に備え造船されたのが、このヴァーサ号です。しかし、そんな野望に満ち溢れていただろうこの帆船が、なぜタイトルにあるように“悲劇の帆船”なのか?

実は、このヴァーサ号は沈没船なのです!

なぜ沈没した?

ヴァーサ号はただ沈没したのではありません。では、一体どんな理由でいつどこに沈没したのか見ていきましょう。

ヴァーサ号は1625年に建造が始まり、1628年に完成しました。“ヴァーサ”と言う名前は16世紀のスウェーデン国王の名前から付けられています。

そして、完成したヴァーサ号は当時のスウェーデン国王、グスタフ王2世アドルフの命で、1628年8月10日領土拡大の目的地、ポーランドへ処女航海へ出航します。

しかし、出航して間もなくしてヴァーサ号に悲劇が訪れます。沖に出ようと1300メートル程進んだところで、横風を受けてバランスを崩し、大砲の砲門の小窓から浸水。為す術もないままストックホルム沖に沈んで行きました

その原因は、船の上部が土台に比べ重すぎたから。

豪華に見せるための彫刻品やら細部の装飾にもこだわり、さらにはポーランド征服に向け72トン分の大砲も積んでいたこともあって、頭でっかちのヴァーサ号は沖に出ることなく、沈んで行ったのでした。

といった経緯で、ヴァーサ号は処女航海に出た直後に沈没した悲劇の帆船なのです。

実物のヴァーサ号はカラフル!

( 出典:Pixabay ※写真はイメージです )

ヴァーサ号は出航してわずか1300メートル付近で沈没。人間の足で約1.3キロを歩くとしたら15分くらいの距離でしょうか。沈没にかかった時間の記録は残っていないようですが、ゆっくりゆっくり沈んでいったものと思われます。

大砲、貴重品などはすぐに引き上げられましたが、本体は長らく海に沈んだままでした。

しかし、1961年にAnders Franzénら研究者の手により、沈没してから333年の時を経て海上へ引き上げられました。船体はほぼ当時のまま残っており、防腐加工を施され今日に至ります。

博物館に展示されている実際のヴァーサ号は写真の通り、茶色い木造の帆船なのですが、建造当時は色とりどりに染色されていたようです。

博物館ではミニチュアサイズの建造当時のヴァーサ号を見ることが出来ます。

『ヴァーサ号美術館に行こう!』

ストックホルムは14の島から成る北欧最大の都市です。『ヴァーサ号美術館』はストックホルム中心地のユールゴーデン(Djurgården)島にあります。詳しい情報は美術館の公式サイトをご参照ください。

北欧のヴェネツィア(Nordens Venedig)とも称される美しい街並みのストックホルム。ご来訪の際は是非、このヴァーサ号博物館にも足を運んでみてくださいね!

いつもご愛読いただきありがとうございます。

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