無料の出生前診断【KUB test】と妊婦健診
※2024年8月21日加筆修正しました
スウェーデンでは出生前診断は無料※
こんにちは
今回はスウェーデンの“妊娠・出産事情”に
焦点を当てて行きたいと思います
日本では賛否両論ある
“出生前診断または出生前検査”
ですが
こちらスウェーデンでは
気軽に受ける方のほうが多いようです
スウェーデンでは
妊娠11週から13週の間に出生前診断の一つ
『早期超音波検査 with KUB – Kombinerat Ultraljud och Blodtest』
と言う通称
『KUB test(クブ・テスト)』
を受けることができます
“検査を受ける選択肢がある”
と言うよりは
検査費負担がないため
元々の妊婦健診に
このクブ・テストが組み込まれています
クブ・テストは
採血検査と超音波検査(エコー検査)を
組み合わせた検査で
■トリソミー21(ダウン症候群)
■トリソミー18(エドワード症候群)
■トリソミー13(パトウ症候群)
の3つの染色体について
調べることができます
検査では
これら3つの染色体異常を調べられますが
トリソミー18、13に関しては
胎内での生存が非常に厳しいため
妊娠継続が極めて困難です
奇跡的に出産に至っても
生まれて間もなく
亡くなってしまうケースがほとんどで
また滅多に見られない症例でもあるため
私個人のクブ・テストの話をすると
検査では特に触れられませんでした
採血と超音波検査のみで検査ができるので
母体にも胎児にも危険は何一つなく
安心して受けることができます
このKUBテストと同じような検査は
近年日本の一部の病院でも行われているようで
“胎児ドック”や“血清マーカー検査”などが
該当するのかなと思います
日本ではそれらの検査に
数万円の費用がかかりますが
KUBテストはもちろん
無料で受けられます
エコー検査は妊娠期間中に基本1回のみ
まず、胎児の様子が確認できる
超音波検査ですが
スウェーデンを始め海外諸国では
“超音波は胎児に少なからず影響がある”
として積極的に受けることは推奨されていません
そのため通常は
妊娠期間に一度だけエコー検査
を受けます
スウェーデンでは
通常妊娠18週から20週(妊娠5ヶ月)に一度
超音波検査を行いますが
ほとんどの方は
出生前診断の“KUB test”を受けますので
実施には計2回エコー検査を受けられます
妊娠12週あたり
妊娠4ヶ月に入ってやっと初めて
超音波検査を受けることになります
妊娠初期に出血があるなどの問題がない限りは
超音波検査を受けられませんので
ほとんどの方は妊娠10週未満の小さい胎児の姿を
目にすることはありません
妊娠が分かってから待つこと数ヶ月
妊娠12週での胎児との初対面は
かなり感動ものです
(※写真の妊娠12週ほどの胎児のエコー写真)
妊婦健診などのクリニック代も無料!
クブ・テストに必要な血液検査は
エコー検査を受ける1週間前に
クリニックで受けます
その日はただ採血されるだけなのですが
試験管6本ほど抜かれます
検査結果は超音波検査と照らし合わせて
後日伝えられます
また超音波検査の日時指定は不可能で
病院から日時指定の手紙が自宅に届きますので
仕事など都合をつけて
指定の時間に病院へ行きます
超音波検査は医師ではなく
助産師の方が担当してくれます
このクブ・テストで
1000分の一以下の“染色体に異常有り”の検査結果
が示された場合に
■『NIPT test(ニプト・テスト) – 新型出生前診断NIPT– Non-Invasive Prenatal Genetic Testing』
を受けます
クブ・テストの検査結果が
50分の一以下の場合には
染色体異常の確定検査が出来る
『繊毛検査、羊水検査』を受けることになります
KUBテストは
染色体異常の確率のみの検査ですが
NIPTは『陽性・陰性の判定』になります
この判定が陽性の場合にも
『繊毛検査、羊水検査』を受けます
この“新型出生前診断NIPT”は
日本でも受けることが出来ますが
検査費はおよそ20万ほどだそうです
スウェーデンでは
18歳以下の医療費は無料ですが
これら出生前診断の血液検査・エコー検査を始め
妊婦健診・分娩費も無料になります
(Image by Pixabay)
※話は変わりますが、上記写真の妊娠中女性が身につけている球体のシルバーアクセサリーは“Bola Gravidsmycke”という心地よいベルの音が鳴るアクセサリーです。スウェーデンでは定番の胎教グッズです!
*
いかがでしたか?
出生前診断は
“命の選別”だとして非難される言葉も
耳にしますが
誰しもが病気のない
健康な子供が欲しいものです
医療がその手助けを出来るなら
検査を受ける選択肢があっても
良いのではないでしょうか
最後までお読みくださりありがとうございます
※地域により妊婦全員が無料で受けられる地域と35歳以下は有料の地域があるようです。
Photo by Andreas Wohlfahrt